自動売買トライオートFX(インヴァスト証券)をおススメしない理由
インヴァスト証券の「トライオートFX」は為替相場特有の一定範囲で上げ下げを繰り返す値動きをコツコツ取っていくリピート系自動売買システムです。
主なロジックは「レンジ追尾」と「追尾」。
為替相場のレンジの動きを捉えて買いと売りを同時に設定する自動売買が「レンジ追尾」。
「追尾」は、一定レンジの中では細かい利益確定を積み重ね、さらに相場が動いた方向に追尾していく自動売買ロジックです。
設定した自動売買のロジック通りに相場が動いた場合には利益がでます。
しかし「トライオートFX」は完全自動ではなく手動での判断を入れていかないと利益を出し続けることは難しいと思われます。
特に初心者にはおススメしません。
■おススメしない理由1-損切りしない
自動売買パネルのシステムを見てみると勝率100%、最大ドローダウン0円と表示されています。
つまり「損切りはしない」という設定なのでロジックに反した相場になった場合、含み損がどんどん膨らむことになります。
トレンドが大きく動いた場合、含み損を抱え続けるか最終的にはロスカットになってしまいます。
つまり1000勝しても1敗すれば、ゲームオーバーとなるリスクがあるということを心得ておきましょう。
損切り設定は手動でできますが、適正な損切り値が分かる人は自動売買しなくてもよい人です。
■おススメしない理由2-ナンピン
トライオートFXはあらかじめ注文価格を分散するためマイナスに動いた時には自動的にナンピンして平均価格を調整しリスク分散を図ります。
ナンピンした後、為替が戻ってくれば、大きく稼げます。
ただそのまま戻らないと含み損を抱え続けるかロスカットです。
含み損を抱えるとその間は身動きができないので期間が長い程、機会の損失となります。
根拠のある計画的なナンピンであれば、損しても納得ですが、システム的にナンピンしてしまうのはリスクが多き過ぎると思います。
特に初心者は手を出さない方が良いとされています。
■おススメしない理由3-手動での判断を求められる
公式の「トライオートFXスタートガイド」には、下記のような記載があります。
〇「大きな出来事が目の前に控えているのが分かっている。でも稼働中のレンジ追尾は絶好超で評価損よりも決済利益の方が大きくなっていて、いつでも稼働停止ができる。こんな時は、たとえ評価損があっても迷わず決済とAP注文の稼働を停止して勝ち逃げしちゃいましょう。その後の相場の動きみてから仕掛け直せば良いのです。」
〇「これまでレンジ相場だっとしてもトレンドの変化に注意し稼動停止すべきかどうか見極める必要があるでしょう。」
〇「イギリスのEU離脱(ブラクジット)のような大きな出来事があると変動幅も大きく変わる可能性があります。自動売買だからといって放置しすぎないよう、定期的に対象通貨ペアの週足チャートを確認することをお勧めいたします。」
〇【レンジ相場も永遠ではない。どこかで勝ち逃げしましょう!】
上記が意味していることは、手動による決済や損切りの判断が求められるということです。
この判断を初心者がすることは非常に難しいことだと思います。
■おススメしない理由4-ポジションを長期に保有することがある
自動売買のシステムは政治的リスクや地政学的リスクをくみ取ることができません。
想定しいるロジックと反対方向に相場が動いた場合、戻るまでポジションを持ち続けます。
むしろナンピンでポジションを増やしていきます。
「トライオートFX」だけでなく中長期にポジションを保有するシステムは完全自動売買には不向きだと思います。定期的に監視し手動での判断が必要になります。
完全自動売買のFXを目指すならスキャルピングやデイトレードのシステムが望ましいでしょう。
■自動売買に適したシステム
自動売買のシステムは基本、チャートをテクニカル分析して売買を行います。
政治的なリスクを加味してくれません。
そこで自動売買のシステムとしておススメなのが
・想定外の為替の動きには損切りする
・ナンピンはハイリスク・ハイリターンなので控える
・トレードスタイルはスキャルピング、デイトレード
・不慮の事態に備えて週末を超えてポジションを持たない
これらは大損しないための要件だと思います。
その上でより利益を出せるロジックのシステムを使えば、かなりの確率で利益を出せるでしょう。
これらのシステムを見つけるには現在ではEA(Expert Advisor)が最も有効だと思います。
■EA(Expert Advisor)とは
EAとはMT4(メタトレーダー4)というFXのトレーディングソフト上で稼働させることができる自動売買のツールです。
EAの正式名称はエキスパートアドバイザー。
このEAに売買のアルゴリズムを入れてシステム的に自動売買させることができます。
EAにはさまざまなタイプがあり、おおまかにはスキャルピング、デイトレード、スイングトレードなどがあります。
無料・有料・海外のEAを含めるとかなりの数になります。